バーニング劇場版 あらすじ
ジョンスは母に失踪され、父は喧嘩沙汰で裁判中。田舎の家の牛の世話をしながら、日雇いの肉体労働をしていた。そんなある日、街頭イベントで幼馴染みのヘミと偶然再会する。二人はすぐに意気投合し、体の関係を持つ。
ヘミは部屋にいるという猫の世話をジョンスに頼んでアフリカ旅行へと出かける、半月後、彼女は帰国するのだが、ベンという男と一緒だった。ジョンスは二人の間柄をいぶかしみながらも、3人の奇妙な関係が始まった。
バーニング 劇場版 予告編
バーニング 劇場版 感想
村上春樹的世界感、見終わった後いろいろ考えがめぐる。
この映画の原作は、村上春樹の『納屋を焼く』という短編小説。たった30ページの作品が、2時間以上の映画に仕上がった。
村上春樹の小説は、学生時代に『ノルウェイの森』を読んだだけなんだけど、そのときに、なんだか「これ苦手だな」という感情が沸いたんだよね。
つまらなかったわけじゃなくて、むしろ面白くて、夢中で読んだ記憶がある。でも、なんだか嫌だ、と感じた。
その雰囲気のようなものを、この映画からも感じた。だから、この映画は、村上春樹的世界観がきっちり描き込まれているんじゃないかと自分は思う。
映像は目視そのままの色味を生かしてる感じ。フィルターで美しく彩られる映像もいいけど、自然な色彩もいいよね。
リアルな街並み、特に雑音がいい。韓国の音をたくさん感じられる。居酒屋の雑音、電車のアナウンス…。
そして匂いも実際に感じられるような丁寧な演出だ。
ヘミ役のチョン・ジョンソは初めて見たけれど、可愛い。細いはかなさが良い。
そして、ヘミはまるっきり当時の自分だった。容姿は別として(笑)
自分は当時、場末のモデルで、イベントコンパニオンもやっていて、ちょうどヘミとジョンスの出会いのシーンと似たような仕事もしていた。
そしてふらりと海外に行ったり、ベンのような人と、あのような集まりを度々していた。
この映画にはたくさんの伏線、メタファー、キーワードがある。それを抑えながら見るのが楽しい。
- グレートハンガー:なぜ生きるかを知ろうとする人
- 猫は
- 無言電話の主は
- 井戸は
ヘミがベンとアフリカ旅行から帰ってきたときの、あのヒリヒリした気まずさがとてもよくわかる。
ベテランで悪徳御曹司を演じたユ・アインは、今回は情けない庶民の男をばっちりと演じている。完全に別人、さすが。
ベンの雰囲気、そう、それが自分がノルウェイの森を読んだときに感じた、『苦手』という感情そのものだった。
ゆっくりとやさしく語りかけてくるが、思い切り上から見下されている感じ
スティーブン・ユァンも初めて見たけれど、ばっちりの役回りだった。
長い映画なのでゆったりと時間が流れていくが、無駄なシーンだと思う部分がなかった。
後半からどんどんと物語は緊張感を増していき、目が離せなくなる。
何が起こるか全く予測できない展開。
そしてラスト、、、
伏線は、どれも回収されたのかどうかわからない。されたような、ないような。
意味を色々考えて居たら、猛烈に頭が痛くなった。
「あると思うより、ないことを忘れる」
映画好きの人にあれこれ聞いてみたくなる作品
かなりおすすめ!
バーニング劇場版 ネタバレ 小ネタ
全てが小説という説
ヘミの部屋で小説を書き出してからが空想説
韓国映画でちゃんと避妊具つけるの初めて見た。
大麻の匂い、オランダに居たからわかる
(バーニングの公式サイトは映画工作のサイト作った人と同じような気がする)
バーニング劇場版 映画情報
公開年:2018年
時間:148分
レイティング:R18
監督:イ・チャンドン
原作:村上春樹
バーニング劇場版 キャスト
ユ・アイン:イ・ジョンス
スティーブン・ヨン:ベン
チョン・ジョンソ:シン・ヘミ
ムン・ソングン:弁護士、パク・サング
ミン・ボッキ:判事
チャ・ミギョン:ヘミの母
イ・ボンリョン:ヘミの姉
ペ・ミンジョン:ナレーターバイト
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