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韓国映画『7号室』感想 – 社長もつらいよ、シチュエーション・ブラックコメディ、こういうの好きな人にはおすすめ

3.5
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7号室 (字幕版)

7号室 あらすじ

ドゥシク(シン・ハギュン)は、個室DVDを経営しているが、儲からないので店を売却したいと思っている。アルバイトのテジョン(D.D/ト・ギョンス)はバイト代をろくに貰っておらず、ヤミ金から借りたお金を返すために預かった違法薬物をいったん店の7号室に隠した。

そんな中、新しく雇った朝鮮族の男(キム・ドンヨン)が、感電事故で死んでしまう。店が売れなくなると焦ったドゥシクは、7号室に死体を隠して鍵を閉めてしまう。

薬物を7号室から出したいテジョンと、隠したいドゥシクの間でせめぎ合いが始まった…!

7号室 感想

演劇みたいな狭い空間でのシチュエーション・ブラックコメディ。

評判あまり芳しくないが、自分は割と楽しめた。
深夜ドラマで何ともなしに見たら最後まで見てしまった、、的な感じ。

ちなみにこの映画は、クラウドファンディングで制作費に十分な資金を集められて黒字スタートだったそうだ。

まず映画は夜景から始まる。ソウルの美しくて切ない夜景から始まる映画は、自分では当たりが多い法則。

リッチなイメージのあるシン・ハギュンは、社長だが全然儲かっておらず、代行運転のバイトすらしてる。そのギャップから面白い。

友情出演でチェ・ムソンが出ているが、最近自分のお気に入り。

この映画は、ポスターなどではアイドルであるEXOのD.O.(ディオ)を前面に出しているが、主役はあくまでもシン・ハギュンである。

映像の色使いや構図、映っている風景が、自分が実際に韓国に行ってみてきた心象風景と同じで、かなり郷愁を感じる。

韓国の個室DVDは言ったことがないが、カップルでえちするのが前提なのだろうか?笑える。日本はそんなことはないよね。知らないけど。

朝鮮族の男の子が、他のノワール映画に比べてると品行方正なけなげな子なので、あんなことになってしまって切ない。
この映画は、朝鮮族の差別問題をまた別角度で描きたいという目的もあるのだと思う。

ミヤナムニダ(미안합니다)は失礼で、チェソンハムニダ(죄송합니다)を使うべきと言うシーンがあったが、やっぱりそうだよね?
自分は初対面の人にはなれなれしい気がしてミアンをあまり使えずにいたが、正解だったようだ。

あと、テジョンが質屋にパソコンを持ち込むシーンがあったが、ステッカーを張っていることを「キズカクシ」と日本語で言っていたな。
韓国語化しているのだろうか。

テジョンの楽観的な姉夫婦の子どもがゲーム機を欲しがったが、字幕は「ゲーム機」となっていたが、子どもははっきりと「任天堂3DS」と言っていた。
このゲームも、映画監督が象徴的に扱ったアイテムのようだ。

ちなみに、姉は女のファン・ジョンミン(同姓同名、漢字は違うんじゃないかな)、男のファン・ジョンミン出演目当てで間違えてみる人もいるみたいだが。
U-NEXTはちゃんと男女ファンジョンミン分けてインデックスされてるので良いサービス。

ロッテリアのシーンでは店員が「気分がいいロッテリアです(기분 좋은 롯데리아입니다)」と、韓国人店員らしい挨拶。
こういう、韓国であるある、と思うシーンがたくさんある。

そういった言葉の端端をみるのも楽しい。

大変なことが起きてしまうだが、登場人物たちの慌てふためきが面白い。

昔見て忘れてしまっているし、全然違う話とは思うのだが、なんだか熱海殺人事件を思い出した。

チョン・ソッコの銭形みたいなファッションの刑事、あれはどう考えてもギャグだし。

推理サスペンスのようにスカっと事件解決を求めてみる人には不満が残るかもしれないが、
自分は、この映画のどうしょうもない、やるせなさがかなり気に入った。

自営業者はつらいよ。

※ファン・ジョンミンは出ないの?と思う方も多いようだが、同姓同名の女優がチキン店の姉役で出ている。女ファンジョンミンも韓国では有名。

7号室 映画情報

公開年:2017年
上映時間:100分
原題:7호실(7号室)
監督:イ・スンヨン

7号室 キャスト

シン・ハギュン:キム・ドゥシク、個室DVD 社長
ト・ギョンス(EXO D.O.)イ・テジョン、夜のアルバイト、作曲家志望
キム・ドンヨン:チョ・ハヌク、昼のアルバイト、朝鮮族
キム・ジョンス:不動産仲介業
パク・スヨン:ビル管理人
キム・ジョング:元教頭
チョン・ソッコ:刑事
キム・ドユン:麻薬密売人
ファン・ジョンミン(女):トゥシクの姉、チキン店経営
チョン・スンギル:トゥシクの姉の夫、チキン店経営
チョン・ヒテ:質屋
チェ・ムソン:中古車販売業