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韓国映画『食客2 優しいキムチの作り方』感想 – 韓国で原作破壊と酷評されたものの、キムチが食べたくなる一点においてはおすすめ

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食客2 優しいキムチの作り方 あらすじ

日本で成功を収めた女性シェフ・ジャンウン(キム・ジョンウン)は、韓国で行われるキムチ大会のため帰国する。

伝統的料理店を病気のため休業中の母親と10年ぶりに再会し、全く新しいレストランに改装しようとするジャンウン。

ジャンウンの母を実の母のように慕う幼なじみのソン・チャン(チン・グ)は、店を守るため、ジャンウンとキムチ大会で対決することを決意する。

大会でのキムチ作りを通して、二人は母の本当の思いに気づいていく。

食客2 優しいキムチの作り方 感想

もうちょっとキムチのレシピとかを見せてくれるかと思っていたのでがっかり。
でもキムチが食べたくなったので、その一点においてはこの映画を見た価値があったかも。

舞台は日本から始まる。日本で成功することは、韓国の料理人にとってステイタスになるということが見て取れる。
焼肉やキムチは、すでに日本の料理だと言われて引っ掛かる部分がある。

焼肉はともかく、キムチは韓国のもので疑う人はいないだろう。
ただ、国産キムチは韓国キムチとは全く違う味。発酵させていない混ぜ物だ。

だから自分は必ずキムチくんマークの入っている商品を求めている。

おすすめは宗家(チャンガ)キムチ

通販でも売っているが、スーパーでもよく目にするのでそちらで買った方が安いと思う。

ちなみに宗家(チャンガ)は、梨泰院クラスの敵役のモデルだそうだ。

・・・話を映画に戻す。

女優キム・ジョンウンは、とても綺麗だと思う。料理人としては凛としたたたずまいで清潔感があってとても素敵。
ただ、冷たいお人形さんのようで感情に乏しい感じがする。この映画のキャラクターがそうなので仕方ないのだろうが、感情移入が難しい。

約束の恋人のヒロインのときも、感情表現が少なく、魅力に欠けていた気がして、それがドラマの面白さを消していた一因のように思えた。
だから演技が下手なのか?とも思った、パリの恋人を見たところ、表現力豊かに演じ分けられる人だということはわかった。

この映画で一度だけ、感情を爆発するシーンがあったから、そこに集中させたかったのかもしれないが、そのシーンが弱った。

対照的に、チン・グの演じたソン・チャンのキャラクターが人間味にあふれていて良かったが、彼も今一つ描き方が足りなかったような気がする。
俳優の演技力ではなく、脚本の弱さだと思う。

主役二人のエピソードよりも、逃走犯親子のエピソードのほうが、役者の強烈さで共感性が強いと感じてしまった。

この映画は、食がメインテーマではなく、親子愛、母の愛がメインだった。
母の愛を描写して泣けない人は少ないと思うが、どこか他人事のように感じて感動があまりにも弱かった。

原作漫画を見ていないので、漫画のほうがどうなのかは自分にはわからないが、韓国のサイトを見ると、この映画は”原作破壊”と酷評されているそうだ。

日本の漫画の実写化もたいてい原作ファンには酷評されるが、その悪しき傾向を韓国映画も踏襲してしまったのかもしれない。

これは『食客2』と、続編のタイトルではあるが、1作目となんの関連もないため、見なくても問題はない。

ちなみに1の方は300万人を動員しある程度成功したが、この映画は47万人と大惨敗し、監督もそれ以降映画を撮るのをやめてしまったようだ。

もっと料理を徹底的に追及して、対決をきっちり描いたほうが面白くなったと思う。

キムチはそんなに短時間に漬からないだろうとずっと思っていたら、オチに持ってきたのはすごくお粗末な気がした。
料理をじっくり見たいなら三食ごはんがおすすめ。

韓国映画のクオリティで、鉄鍋のジャンとか見てみたいのだが・・・

伊丹十三が、映画『タンポポ』を作った時、

「映画を見た人が、見終わってラーメンが食べたいと思えばこの映画は成功」

というようなことを語っていたことを思い出した。

映画タンポポでは、死に際の母親がチャーハンを作るシーンがある。Youtubeでその部分だけを見つけたが、それだけ今見ても泣ける。
日本も面白い映画を作っていた時代があったな。そんなことも考えた。

とにかく、この映画を見たらキムチを食べたくなるのは間違いないので、その点においては成功だ。

欲をいうときりがないが、回想シーンや舞台設定はしっかり描いてくれていたし、お話しとしてのまとまりは感じられるので、星は3でもいいと思う。

食客2 優しいキムチの作り方 映画情報

公開年:2010年
上映時間:119分
原題:식객: 김치전쟁(食客: キムチ戦争)
監督:ペク・トンフン

食客2 優しいキムチの作り方 キャスト

キム・ジョンウン:ペ・ジャンウン、一流シェフ
チン・グ:ソン・チャン、行商人
ワン・ジヘ:ジンス、料理雑誌記者
チェ・ジョンウォン:ジャウン、ソン・チャンの師匠
イ・ボヒ:スヒャン、春陽閣主人、ジャンウンの母
イ・ビョンジュン:チョ・ドンヒ、地上げ屋
ソン・ジル:ヨサン、逃亡犯
キム・ヨンオク:ヨサンの母、食堂
パク・キルス:キム・マンス局長、キムチ大会審査委員
ホ・ヒョノ:オ・ジャンソク教授、キムチ大会審査委員長
イ・カニ:コン・ヒョンドク院長、キムチ大会審査委員
チュ・ジャヒョン:ソン・チャンの母
イ・スンチョル:韓国大統領
村上賢一:首相官邸 日本人料理人