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韓国映画『受取人不明』感想 – 精神的ダメージ大、キム・ギドク監督の代表的作品、上級者向け、閲覧注意

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受取人不明(字幕版)

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受取人不明 あらすじ

黒人との混血児・チャングク(ヤン・ドングン)は、娼婦だった母と2人で村はずれの廃バスの中で暮らしている。

チャングクの母は、アメリカにいる夫がいつか迎えに来てくれると信じて手紙を書き続けていたが、手紙はいつも「受取人不明」という印を押されて戻ってきていた。

受取人不明 感想

重苦しすぎて感想書きたくない。心臓が痛い。最悪。
キムギドク大丈夫だと思った自分が浅かった。

キム・ギドク監督の作品はいくつか見てきたが、この映画が一番精神的ダメージを受けた。

『韓国映画 この容赦なき人生』という本でこの映画について、三池崇史監督が、敵わないと語っている。

この本によると、この受取人不明は、キム・ギドク監督の少年時代に実際に起こった出来事を元にした映画だそうだ。
どこまでが誇張なのかわからないが、ものすごい脱力感を感じる。

監督というのは、自分を傷つけながら作品を撮るのだそうだ。
自分は映画を撮ったことはないからわからないが、絵を描き、彫刻を作り、小説は遊びで書いたことがあり、漫画も挑戦してみた。
確かに、作品を自分をさらけだす鏡なので、書けば描くほどつらくなる。

商業的な作品は楽だと三池監督は語っているが、自分は商業的な作品は自分の哲学とのずれがあると精神を病むので、絵画の評論家やデザイナーなどの仕事がなかなか続けられなかった。

キム・ギドク監督のような作品を、しかも大量に作るのは信じられない精神力だという。

この映画は、登場人物全員がほぼ悲惨な目にあう。
悪いやつもそうだし、善人と思える人も悪事を行わざるを得ない。
誰もが、いつ陥っても不思議ではない状態。

産まれた場所が治安が悪かったからとか、親の境遇が特殊であるとか、家が貧しいとか、近所に屑が住んでいるとか、
不幸に陥るあらゆる引き金がある

無事に生きていることが奇跡のようだ。

もう少し待っていれば、もう少し我慢していれば、映画を見ていれば思うが
当人たちにしてみれば、いつかがいつ来るのかもわからない

偶然引き金を引いてしまった、そこからすべてが崩れていく
自分も生きていて本当に怖くなってきた、、、映画は精神に悪影響を及ぼすのではないか。。

この映画には面白い、ともすれば笑えるシーンもいろいろあり、映画マニアは見ておくべき作品ではあると思う。

みんなで目を悪くして歩くシーンとか
犬神家の一族というか台風クラブのようなシーンとか

バーニングなシーンもあるし。
チョ・ピロにでてきた銃弾取り出し方法の元ネタはこの映画なのかな。

犬が可哀想なシーンがあるのだが、きっちり復讐してるのでその点は解消されているのか。
自分は何もそこまで、と思ったのだが。。この映画そんなのばかり。

ほえる犬は噛まないも思い出したな。

米軍は普通の田んぼで訓練してたのかな?なんだかラストシーンも滑稽な感じがした。

映画の芸術性を、いろいろ語るべき映画なんだと思う、が、
とにかく、私の精神ではまだこの映画を受け入れるには未熟だったようだ。
感動とか考えさせられるとかじゃなく、ただただ体調が悪くなった。

名作を見る場合を気を付けたほうがいい。

受取人不明 映画情報

公開年:2001年
上映時間:117分
原題:수취인불명(受取人不明)
監督:キム・ギドク

受取人不明 キャスト

ヤン・ドングン:チャングク、米軍黒人とのハーフ
パン・ミンジョン:ウノク、片目が不自由
キム・ヨンミン:チフム、似顔絵かき、いじめられっ子
チョ・ジェヒョン:ケヌン(犬の目)、犬商人
パン・ウンジン:チャングクの母
ミョン・ゲナム:チフムの父、キム・ジュンホ