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韓国映画『チョ・ピロ 怒りの逆襲』感想 – 私のおじさんによる悪いアジョシ、クズ刑事と女子高生おすすめアクション

3.5
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チョ・ピロ 怒りの逆襲 あらすじ

チョ・ピロ(イ・ソンギュン)は、手下を使って現金を強奪したり、賄賂を使って不正を働くなど、悪の限りを尽くす悪徳警察官。

ある日、悪事を隠すために大金が必要となり、警察の押収倉庫を狙う。しかし手違いから倉庫が大爆発、手下のギチョル(チョン・ガラム)が死んでしまう。

事件の容疑者としても目をつけられたピロだったが、ギチョルは爆発前にすでに殺されていたことがわかる。

裏には、巨大企業の巨額の不正資金が絡んでいた…。

チョ・ピロ 怒りの逆襲 感想

韓国のノワール映画をメジャーにのし上げた傑作アジョシのイ・ジョンボム監督作品。

折しも、自分は今ドラマ『マイ・ディア・ミスター 私のおじさん』も並行して鑑賞中なのだが、その主演の優しいおじさん、イ・ソンギュンが、この映画ではゲスなドクズ刑事を演じている。
このクズさは死生決断のファン・ジョンミンが演じるクズ刑事をちょっとほうふつとさせた。

昨日も、教授とわたし、そして映画を見て、最近ちょっとイ・ソンギュンづいているが、本当にこの人も本人の存在を消して、役になりきることができる名俳優だと思う。

声はいつ聞いてもいい声だが(笑)

さらに、今作の悪役にはパク・ヘジュン。顔色を変えずに殺しもやってのける冷徹さだが、ドラマ『私のおじさん』では、徳の高いお坊さんだ。

二人の優しい”私のおじさん”が、この映画では、どっちがよりクズかの競争。
こういう並行世界を楽しめるのが映画ドラマのいいところだ。

映画の内容のほうだが、とにかく中盤過ぎるまで、チョ・ピロがクズすぎて感情移入が全くできない。

だいぶ経ってから、アジョシでいう所の少女的立ち位置の子、ミナ(チョン・ソニ)が現れる。
ただこの子もなかなかクセが強く、可愛らしくて守ってあげたくなるようなタイプでもない。

期待するのは二人が打ち解けて逆襲に入る展開なのだが、なかなか打ち解けてくれない。

この映画は、背景に2014年のあの悲しいセウォル号の沈没事故がある。
ただ、その象徴的な悲劇のストーリーを名前だけ出して乗っかっているだけのような気がする。
少女たちのプロフィール描写が浅い。
ていうかセウォル号なしで作ったほうが良かったのでは…

おそらくこの映画は、クズ刑事のほうでなく、ミナのほうに視点を置いてみるべき映画なのかなとも思ったのだが、
あっという展開になってしまう、え?

そこから”逆襲”ってことか…
まぁそのくらい衝撃がないと、クズ刑事が改心することもなかったのだろうが、、、

逆襲撃は痛快ではある。とくに拳銃と弾の持ち込み方は自分的には映画史に残る。
ご都合的な感じもあるけど、見せ場のアクション演技は悪くはなかったと思う。
韓国では酷評だったというから、俳優さんは可哀想だ。

最後のシーンだけ救われた感じ。このラストでちょっと許せたかも。

色彩もフィルターがかかっている感じてとても綺麗。
なんとなくだが、ネトフリの映画って、映像綺麗、衝撃描写やアクションは派手だけど、ストーリーは浅い?

アジョシのほうが面白いけど、アクションだけ見たいならどうぞ。

チョ・ピロ 怒りの逆襲 映画情報

Netflixオリジナル映画

公開年:2019年
上映時間:127分
原題:악질경찰(悪質警察)
監督:イ・ジョンボム

チョ・ピロ 怒りの逆襲 キャスト

イ・ソンギュン:チョ・ピロ、刑事、安山警察署
チョン・ソニ:チャン・ミナ、女子高生、キチョルのガールフレンド
チョン・ガラム:ハン・ギチョル、ピロの子分
パク・ヘジュン:クォン・テジュ、室長、テソングループ
ソン・ヨンチャン:チョン・イヒャン、テソングループ 会長
パク・ピョンウン:ナム検事
イム・ヒョングク:チウォンの父、チキン店
キム・ミンジェ:キム・ミンジェ、内密調査
クォン・ハンソル:ソヒ、ミナの友達
ナム・ムンチョル:強力チーム長
イム・チョルス:ギブス、チンピラ
イ・ユヨン:ヤン・ヒスク、カムジャタン店