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韓国映画『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』感想 – 辛くても目をそらさず見なくてはいけない、おすすめ映画、これをみて考えてほしい

4.5
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ハン・ゴンジュ 17歳の涙 あらすじ

17歳の少女、ハン・ゴンジュ(チョン・ウヒ)は、中学生の時に起きた事件がきっかけで家庭が崩壊、転校を余儀なくされた。

知人の家に居候して新しい学校に通い始めるが、毎日孤独だった。

そんなある日、同級生と打ち解ける。暗い日々に光が差したかに思われたが…。

ハン・ゴンジュ 17歳の涙 感想

見なくてはいけない映画

精神的ダメージが怖くて見るのを後回しにしていた映画。
何を題材にしているかを事前に知ってしまっているので、どんな残酷な画面がいつ現れるのかという恐怖とともに見た。

淡々とした静かな雰囲気から始まるこの映画。
唐突に出てくるトイレのお友達。

予備知識がないと頭が混乱していたかもしれない。

印象に残ったのは先生の母親の言葉

「大人はなぜ家を建てるか、移る準備を常にしていたら不安で生きられないから」

これがストンとおちた。

男ともめてリンチを受けているときも

「何も怖くない、住処があるから」と言い放つ。

これだ。一番必要なのは”追い出されない”居場所なんだ。

登場人物は誰もかれもがクズ
実の親があのていたらく
友達は無邪気にすり寄ってくるが、現実を知ると波が引くように去っていく、思った通りだ。

「お前は被害者だが、加害者も同然だ」というセリフが刺さる。
これは韓国だから起きていることではない、日本だってSNSをちょっと見ればすぐに同様のことが見つかる。

ゴンジュが家を出ていくとき、警察署長が追いかけてきて、少しだけゴンジュの表情が和らぐのが残酷過ぎた。

この映画は逆『ソウォン』だ。
ソウォンは不自然なほど、周りの人すべてが暖かい。
ソウォンの感想で「親なら普通は学校を転校させるはずなのに」と反論しているのを見たが、
それが普通じゃいけないんだ。

被害に遭ったからって、転校する必要もないし、家を引っ越すこともない
友達はそのままいるし、何事もなかったかのように幸せに暮らせる

そうあってほしい、それがソウォン、そしてフィクションでしかないというのが辛い。

最後スイスイと泳いでいたのは、魂になったゴンジュだと私は思う、そうするしかないだろう、悲しい。

クズな登場人物を責めるのはいい、が、自分がその立場だったらそうはならないと断言できるだろうか?
結局自分の居場所を守る先生の母や、事実を知ると電話に出なくなるお友達になってしまうのでは?

ハン・ゴンジュ 17歳の涙 映画情報

公開年:2013年
上映時間:112分
原題:한공주(ハンゴンジュ)
監督:イ・スジン

ハン・ゴンジュ 17歳の涙 キャスト

チョン・ウヒ:ハン・ゴンジュ、高校生
チョン・インソン:イ・ウニ、同級生
イ・ヨンナン:先生の母、Gマート経営
クォン・ボムテク:警察派出所所長、パク・チェジョン
ユ・スンモク:コンジュの父、ハン・ミョンソク