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韓国映画『金子文子と朴烈』感想

4.0
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金子文子と朴烈(字幕版)

大正時代、関東大震災の混乱のさなかにあった朝鮮独立運動家の日朝カップルの実話。

実話とされるが、本当にどこまでが実話なのかはわからない。

『朝鮮人が井戸に毒を入れた』というデマのため、多くの在日朝鮮人が虐殺されたという話は子供の頃から知ってはいた。

それが、この映画のように、政治的にでっちあげられたというのは本当だろうかどうだろうか。

かなり衝撃的な本作品では、『悪い日本人専門俳優』キム・イヌがその悪役を一心に引き受けている。(あと、自警団で朝鮮人を虐殺する役にイ・ジョンヒョン、この人はミスターサンシャインでも同じような役だった)

他の政治家や法曹、皇室にも良心の呵責みたいなものがあるように描かれていて、配慮を感じる。

デマがもし、悪徳政治家からではなく、無垢の民衆から出たという事実だったとしたら、かなりツライ展開になっていたと思う。だからもしかしたらそれも配慮かもしれない。

だた現代でも、たびたびあふれ出るデマや、日本人が朝鮮人、韓国人に寄り添う発言をすると、どんな言葉を浴びせられ、何をされるかということを知っていると、当時の日本人が在日の人たちに対してどんな態度でいたのかは察することができる。

だから日本人全員がそうじゃないよ、という描写をしてくれているのは救いだ。

重い重いテーマだが、ちょっと明るめの息抜きになるような展開もあってなんとか見ることができた。

この時代の作品は色々見てきた自分でも、かなり日本人としては複雑な思いになる強烈なセリフが出てくる。極度に愛国心のある方は見ないほうがいいかもしれない、そういう方は却って心を固くしてしまうかもしれない。

ただ少なくとも、この映画が普通に見ることができる状態であることは、まだ日本は健全だということだ。