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カインとアベル (2009年 全20話)

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あらすじ
ソウルの大病院の院長の息子イ・チョイン(ソ・ジソブ)は、尊敬する腹違いの兄イ・ソヌ(シン・ヒョンジュン)の勧めで、手術見学に中国に渡る。しかしチョインをよく思わない継母である副院長(キム・ヘスク)の陰謀で現地で誘拐され、頭を銃で撃たれて記憶喪失となる。半年後、記憶が戻りソウルに帰ったチョインは、犯人を探し復讐を誓う。

感想
いきなり頭を撃たれて中国の砂漠をさまよい歩く主人公チョインの姿から始まり、航空機内でパッカリと頭蓋骨を開く手術シーンなど、韓国映画のようにグロくショッキングなシーンの連続でまずば引く。
しかしところどころにちょっとだけユーモアも挿入して見ている気持ちを萎えさせない。

特に癒しとなったのは北朝鮮からの脱北者であり、中国でガイドをやっていたヨンジ(ハン・ジミン)。京城スキャンダルでの彼女は好きになれなかったが、このドラマではこの子がいなければ殺伐としすぎて、無くてはならない存在になっている。

中国のマフィアも怖すぎる。これは中国人をでもあまりに悪く描きすぎだという批判もあったほどだそうだ。
それと対照的に、世界遺産の地をめぐる中国ロケは美しかった。自分は「世界ふれあい街歩き」や「世界ふしぎ発見」で見た場所だった。そこで銃撃戦や殺人が繰り広げられる。

印象的な脇役としては、ヨンジの兄で脱北者のリーダーのガンチョル、製パン王キム・タックでは風車の刺青の男を演じているパク・ソンウンである。
いかにも頼れる兄という感じで、お気に入りの俳優だ。

また、気になったのが脱北者グループの裏切り者チェ・チス(ペク・スンヒョン)、甲高い声で鬼気迫る悪役演技だが、華麗なる遺産でファンに札束を投げつけられる店長と気づいたときはほーっと思った。

登場人物全てが個性的で印象的、スピーディーで息つかせぬ展開で、最後まで目が離せなかった。
特にヒョンジュンを演じるイ・ソヌの、血管を浮き出させて倒れる演技力には圧倒された。

ラストは考えさせられる。

許すべきなのか。
脚本家と演出家にまんまとマインドコントロールされ、チョインの揺れる気持ちを自分のことのように感じた。

文学作品にも劣らない高いクオリティの作品だったと思う。人にも薦めたい。

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