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韓国映画『自由が丘で』感想

4.0
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自由が丘で(字幕版)

自由が丘で あらすじ

思いをよせる年上の韓国人女性クォン(ソ・ヨンファ)を追いかけて、ソウルへとやってきた日本人、森(加瀬亮)。

しかし、彼女は見つからず、彼女に宛てた日記のような手紙を書き始める。

手紙は落ちてバラバラになり、順番がわからなくなる。

同じゲストハウスに泊まっているアメリカ帰りの男(キム・ウィソン)と仲良くなったり、カフェ『自由が丘』の女主人ヨンソン(ムン・ソリ)と急接近。

モリは彼女に会えるのだろうか?

自由が丘で 感想

ホン・サンスにはずれなし。
期待値を裏切らないまま、作品ごとにクオリティはどんどん上がっていく。

手紙がバラけて時間軸がシャッフルされる。
こういうタイムリープも面白い。

自分ごとだが、韓国でほぼ同じハノクに泊まった。地域も似たような感じ。
なので見ているだけで自分が旅している感覚になる。

ホン・サンスの映画は常にカメラの目線が、一般庶民の目線とほぼ同じというか、変に誇張やフィルターがかかっていないのでリアリティがある。
特にこの作品の場合、主人公が日本人の加瀬亮だというところも、日本人鑑賞者として没入感を誘ってくれる。

会話は加瀬亮が韓国語が話せない設定なのでほとんどが英語。しかもつたない英語だ。
それなのに妙に高尚な言い回しをしていたりする。
字幕に頼らず味わってみたいところ。

特に印象的なセリフは、ユン・ヨジョン演じるゲストハウス主人と、森の会話だ。

「日本人が好き、礼儀正しくて親切で清潔」というゲストハウス主人に対し。

森は
「低次元の韓国人は嫌いだけど、この世で最も尊敬する女性も韓国人なんです。
だから”韓国人”とひとくくりにしたくない。馬鹿げている。」

と答える。これはもちろん日韓関係を象徴している。

「大きくて、強い」というキーワードも意味深だ。

加瀬亮演じる森の読んでいる本のタイトルは哲学者吉田健一の『時間』

森が見ている夢と現実の区別もついていない。
犬の名前はクミ(꿈이 夢)

こういうメタファーが散りばめられていて、何度かみても楽しめると思う。

飲んで遊んで帰ってきた週末の深夜や、気だるい日曜の午後なんかにどっぷり浸るのもいいかも。

自由が丘で 映画情報

公開年:2014年
上映時間:66分
原題:자유의 언덕(自由の丘)
監督:ホン・サンス

自由が丘で キャスト

加瀬亮:森、元語学学校講師
ムン・ソリ:ヨンソン、カフェ自由が丘のオーナー
ソ・ヨンファ:クォン、森の尊敬する人
キム・ウィソン:サンウォン、クオクの甥
ユン・ヨジョン:クオク、韓屋ゲストハウス主人
チョン・ウンチェ:ナミ、宿泊客
キ・ジュボン:ナミの父
イ・ミヌ:チ・グァンヒョン、プロデューサー