隠された時間 あらすじ
少女スリン(シン・ウンス)は、母親を亡くし、再婚相手である義理の父親(キム・ヒウォン)と、島に移り住んできた。
オカルトが好きなスミンは、変り者と言われ、転校先の小学校ではなじめずにいた。
だが、隣のクラスのソンミン(イ・ヒョジェ)が、親しく語りかけてくれた。それをきっかけに親しくなるが、ある日、一緒にいたソンミンを含む3人の男子が謎の失踪をする。
一人生きて発見されたスリンは、大人たちに厳しく追及される。そんな中、自らをソンミンと名乗る怪しい大男(カン・ドンウォン)がスリンの前に現れた。
隠された時間 感想
浦島太郎の現代版?
浦島太郎をモチーフにしたようなユニークな脚本。若干のツッコミどころはあるものの、先が全く読めず最後まで楽しめた。
イケメン俳優カン・ドンウォンが出ているので、そればかりが注目されがちだが、自分がこの映画で最も気に入ったのはスリンの義理の父を演じたキム・ヒウォンだ。
彼は本当にいい顔をしている。一見悪人顔なのだが、実は人情があるという立ち回りにぴったり。
また子役のソンミンを演じたイ・ヒョジェ、彼は王の運命で、ソ・ジソプの子ども時代を演じた子だが、今回も、カン・ドンウォンの子ども時代だと信じられる容貌をしている。おそらくは独特の”目”をしているからだろう。彼も成長したらイケメンになることは間違いなさそうだ。
テシクを演じた子役のキム・ダニュルも、成長後のオム・テグもキャラが良かった。ゆえに結果がかなり切ない・・・。
小学生の探検隊のエピソード、グーニーズのような冒険は、自分が子供の頃の気持ちを思い出させてくれた。
”やってしまう”のだが、小学生なのだもの、仕方ないだろうと思えるには十分な描き方だ。
そして、時間が止まってから。
この、時間が止まっている世界の描写が素晴らしい。とくに水がゼリーのようになっている表現。
これは一見の価値あり!
すごくお金がかかったのではないかと思うが、この映画は興行的に失敗し、制作費の2割しか回収できなかったそうだ・・・。
島が架空の島なのでどのくらいの規模かわからないが、食べ物は16年ももつのだろうか。
それにしても小学生から大人になって性的なことはどうしてたんだろう?そこは気にしちゃだめ?
終盤少しダレて、その理由はつっこみどころがあってモヤモヤしたから。
つっこみたい部分というのは、指紋。
「時間がかかる」と却下したが、かけろよ。と思ったし、養護施設にある歯ブラシとかでDNA鑑定はできなかったものだろうか。
警察にいったん捕まってもらった方が良かったのではないかと。。。
ちなみに韓国は成人したら住民登録のときに指紋を登録するそうだ。未成年のうちは指紋の登録はない。
指紋に関しては最初脚本になかったが、パク・チャヌク監督が脚本にツッコミを入れて導入されたエピソードらしい。
ラストは余韻を残す綺麗な終わり方。
だが自分が一人で時が止まった世界で生きていくことを想像するとぞっとする。
実話をもとに・・・的な作り方をしているが、もちろん実話ではない。
島の名前は『ファノ』だが、これは노화(老化)を逆にして화노(ファノ)と名付けたそうだ。老化しない島ということか。
なぜ卵が?など多くの謎はあったものの、十分物語を楽しむことができた。
スリンと義父の関係がどうなったかは、見てのお楽しみ。
隠された時間 映画情報
公開年:2016年
上映時間:130分
原題:가려진 시간(隠された時間)
監督:オム・テファ
隠された時間 キャスト
シン・ウンス:スリン
イ・ヒョジェ:小学生のソンミン
カン・ドンウォン:大人になったソンミン
キム・ヒウォン:スリンの母の再婚相手、建設会社
クォン・ヘヒョ:アン・ベッキ、刑事
キム・ダニュル:テシク、ソンミンの同級生
チョン・ウジン:ジェウク、ソンミンの同級生、喘息
オム・テグ:大人になったテシク
パク・チョンファン:チンソン、刑事、ベッキの相棒
パク・チヌ:テシクの父
パク・ソンヨン:テシクの母
キム・ジュンベ:ジェウクの父
キム・ジョンヨン:ジェウクの母
キム・ハクソン:パク課長、建設会社
ソ・ジュヒ:孤児院院長
ムン・ソリ:ミン・ギョンヒ博士