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韓国映画『特別捜査 ある死刑囚の慟哭』感想 – ポスターに騙されるな!これはコメディタッチのノワール映画、軽く見れるので怖いの苦手な人にもおすすめ

3.5
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特別捜査 ある死刑囚の慟哭 あらすじ

スンテ(キム・サンホ)は前科持ちのタクシー運転手、娘ドンヒョン(キム・ヒャンギ)を溺愛し、悪事からは足を洗っていたが、ある日殺人事件の容疑者として捕らえられてしまう。

ピルジェ(キム・ミョンミン)は元警官だったが、暴力事件で首になり、今は犯罪者に相棒のキム弁護士(ソン・ドンイル)をあっせんする法曹ブローカーとして荒稼ぎしていた。

ある日、ピルジェのもとに何の接点もないピルジェから救いを求める手紙が届いた。

特別捜査 ある死刑囚の慟哭 感想

はみ出し刑事(すでにはみ出して警官をやめている)が、巨悪の財閥を相手に大暴れする痛快アクション。
事件のスケール的にはベテランより大きい。

が・・・なぜかもう一つ足りない気がする。面白くないわけではないのだが…。

まずポスターで騙される。

日本ポスターは、どんより救いがない感じのノワールだが、なんだか明るくてコメディタッチ。

韓国ポスターはこれである。

ただ、韓国では、このポスターを見て完全コメディと思って見た観客が失望したというから加減が難しい。

この映画は損益分岐点を超えられず、制作費の3分の1しか回収できなかったそうだ。

原題の副題は「死刑囚の手紙」なのに日本は「ある死刑囚の慟哭」である。これもなんだか詐欺。

キャスティングはすごく自分好み。

スタイリッシュなキム・ミョンミンに、ユーモラスなハゲ設定のソン・ドンイル。

そして情ある父親のキム・ソンホに、迫力の財閥奥様キム・ヨンエ。

脇も豪華俳優陣がこれでもかと登場する。

娘役に神と共にで女優として確立したキム・ヒャンギ。

刑務官にオ・ミンソクが出ていたが、特に背景がなく若干唐突な感じ。削除シーンには、彼の過去を説明する映像があったそうだが、本筋に蛇足と言う事でカットされたようだ。

俳優陣の演技は間違いなくすごいのだが、惜しむらくはピルジェのキャラクターにそれほど感情移入できなかった。

暴力検事(この映画の場合は元暴力刑事だが)が、事件に巻き込まれて改心していく話には、華麗なるリベンジがあるが、そのファン・ジョンミンが演じた役ほどは魅力を感じない。(キム・ミョンミンは素晴らしい俳優だと思う、あくまでもキャラクターの問題)

アクションシーンも迫力があり、何度も大ピンチなシーンがあるのだが、このライトタッチな描き方だと、どんなに生死がかかった場面でも「どうせ大丈夫だろう」と思ってしまう。これがこの映画の欠点だったのかもしれない。緊張感を欠いた。

 

ライトタッチにするなら、もう少し残虐性を軽くする必要があったかも、コメディ部とノワール部の連携バランスが良くない気がする。BGMでここ笑うところ?と思ったり。

ピルジェが鼻をナイフで裂かれるわけだが、大切な主人公の顔に傷をつけるまでの必要性があったか疑問だ。

逆にあんまりハラハラしたくない人には良いかもしれない。

最期も、実は、、というエピソードもあってスカっと終わるので、見て損はしない。

 

特別捜査 ある死刑囚の慟哭 映画情報

公開年:2016年
上映時間:120分
原題:특별수사 사형수의 편지(特別捜査 死刑囚の手紙)
監督:クォン・ジョングァン

特別捜査 ある死刑囚の慟哭 キャスト

キム・ミョンミン:チェ・ピルジェ、法曹ブローカー、元刑事
キム・サンホ:クォン・スンテ、タクシー運転手、死刑囚
ソン・ドンイル:キム・パンス、弁護士、ピルジェの相棒
キム・ヒャンギ:クォン・ドンヒョン、スンテの娘
キム・ヨンエ:DH(旧 テヘ製鉄)奥様
キム・ルェハ:パク所長、奥様の手下
パク・スヨン:イム・ヒャンジュ、仁川警察署班長
パク・ヒョックォン:ヤン・ヨンス刑事、ピルジェと犬猿の仲
オ・ミンソク:チェ刑務官
チェ・ビョンモ:チャン部長、仁川地方検察庁
イ・ジフン:後輩刑事、仁川東部警察署
パク・チファン:パク所長の部下
キム・ソンヒョン:パク所長の部下
ミン・ジヌン:パク所長の部下
イ・スンフン:神父
ミン・ジア:DHの嫁、ユン・ジャリム、コ会長の妻
ハム・ソンミン:チェ・ジョンホ、ドンヒョンの同級生、証人
シン・グ:ピルジェの祖父
イ・ハヌィ:パク博士、監察医
イ・ムンシク:死刑囚
キム・ミョングク:ファン検事