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韓国映画『次の朝は他人』感想 – 韓国のゴダール、彼女を部屋に招いたときにおすすめ

3.5
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次の朝は他人 (字幕版)

次の朝は他人 あらすじ

元映画監督のソンジュン(ユ・ジュンサン)は、久々にソウルに来て先輩を訪ねるも、連絡が取れず時間を持て余していた。

一人で酒を飲んでいると、映画学校の学生が声をかけてくる、しばし盛り上がった後、酔って元恋人のアパートを訪ねる。

次の朝は他人 感想

自分はホン・サンス作品は初めて「意味がわからない」が最初の感想。

白黒の韓国映画も初めてで、独特の雰囲気。現代の話だが、北村という場所もあって古い映画のようにも見える。

この映画の原題は北村方面(북촌방향)北村=プクチョンは、ソウルの中心地にある観光名所、景福宮の東側にある地域で、古い町並みが残っている箇所も多い。
行ってみるとわかるが、それほど古めかしいわけでもない。ノスタルジックな痕跡の残る場所だろうか。昭和っぽいと言えるかもしれない。

自分は去年の冬、ここに行って、現地韓国人の友達とカフェで待ち合わせた。
観光客が多いのは一部の場所で観光するほどの場所でもない。
カフェは有名な場所だったらしく、満席で座れず、外で待っていて、本当に寒い思いをした。

そんなことを思い出した。

この映画は、映画らしい特別なことが起こるわけでもなく、淡々と普通の人々の会話が続く。
ただそれがどこかおかしい。

ちょっと前に言っていたことと、次にとる行動が全然違ったりする。まるで過去がなかったかのように。
そうかと思えば、気まずいことは覚えていたりする。

普通だと思っていたことが、特別な事件になってしまう。

自分にもよく経験がある。特にこの映画の舞台は韓国だから、韓国人の知り合いたちとのことを思い出す。

ある時すごく楽しく食事をした仲の子が、次に渡韓したときはなぜかよそよそしい、自分何か気に障ることをしただろうかとか。
突然知らない人に蜜柑を貰ったから、驚きつつもありがとうございますと丁寧にお礼を言ったら、「昨日も会いましたよ」と言われたとか。
コンサートで隣の席に座って親しげに話してくる人を、絶対顔は知っているのだが、どこで会ったのか思い出せず、それでもパンガウォヨ~(会えて嬉しいです)と言ってしまったりとか。

何度も脈絡もなく会ってしまう人
そんな偶然を積み重ねると、運命か何かだと思ってしまう。

人生は意味のないことの集合体、
その中から人間が選んで
理由という思考のライン(線)を作る

この映画で、ソンジュン達は、小説というバーに3回訪れる。

ママとは再会したはずなのに、字幕で「はじめまして」と言っているが、韓国語では「アンニョンハセヨ」と言っている。
韓国人からはどちらともとれる会話なのかもしれない。

彼女とかを、初めて部屋に誘うとき、この映画を見せて蘊蓄をたれると、知的なところを見せられるかもしれない。
語りすぎると、嫌われるので要注意。この映画を最期まで一緒に見てくれるようなら、脈ありだろう。

自分はゴダールで誘われて爆睡して起きたら「殺すぞ」と言われた覚えがある。

変に横道にそれたが、そんな雑談をしたくなるような映画だ。

この年になると、認知症かしらと心配にもなる。

キム・ウィソンのキャラが味があって良かったな。
彼は久々の映画復帰作で、この後新感染など順調にキャリアが再開されたそうだ。

次の朝は他人 豆知識

  • ピアノはユ・ジュンサンが本当に片手1か月ずつ両手1か月でマスターしたそうだ
  • コ・ヒョンジョンのカメラは彼女の私物だそう

次の朝は他人 映画情報

公開年:2011年
上映時間:79分
原題:북촌방향(北村方面)
監督:ホン・サンス

次の朝は他人 キャスト

ユ・ジュンサン:ユ・ソンジュン、大邱の大学教授 元映画監督
キム・ボギョン:キョンジン、元恋人/ソン・イェジョン、バー『小説』のママ
キム・サンジュン:ヨンホ先輩、映画評論家
ソン・ソンミ:ボラム、大学映画科 女性教授
キム・ウィソン:チュンウォン、ヨンホの後輩 元俳優
パク・スミン:通りがかりの女優
コ・ヒョンジョン:カメラ趣味、映画ファン
キ・ジュボン:映画制作者
ペク・ヒョンジン:音楽関係者
アン・ジェホン:映画学生
ペ・ユラム:映画学生