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韓国映画『教授とわたし、そして映画』感想 – なんとなく人生の答えがここにありそうな気がする、おすすめ

3.5
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教授とわたし、そして映画

教授とわたし、そして映画 あらすじ

年上の映画監督と若い学生の男、そして一人の女。

三角関係を少しずつ時間や視点をずらしながら描くオムニバスムービー。

ホン・サンス監督独特の世界観。

教授とわたし、そして映画 映画情報

公開年:2010年
上映時間:80分
原題:옥희의 영화(オッキの映画)
監督:ホン・サンス

呪文を唱える日

呪文を唱える日 あらすじ

映画監督のジングは、映画を撮るのを休止して大学の映画学科で教えている。
金に汚いと噂されるソン教授にへつらうことに複雑な感情を抱きながら…。

呪文を唱える日 感想

まず目につくのは、不自然に目を引くクローズアップ。

自分は映画撮影のことは全く分からないが、カメラの仕事をちょっとだけしていたことがある。

ホン・サンス監督の映画はまだ次の朝は他人しか見たことがないが、
画角の狭い35ミリ角の標準レンズで普通に撮ったような、日常的な目線の高さを感じる。

35ミリ角というのは、人間の目で見たほぼそのままの視野角だ。

主演俳優はイ・ソンギュン、もちろん上手い俳優なのだが、とにかく芝居に見えない。
素がこうな感じに思えるほどに自然だ。

ホン・サンス監督は、海外(フランスなど)で高い評価を受けているが、韓国内での評判は芳しくないそうだ。
ほぼ映画は赤字ばかり。ただ、評価が高いおかげで、有名俳優がノーギャラで出演を買って出てくれているのだという。

イ・ソンギュンもその一人。何か方の力を抜いたような自然な演技だ。

この短編では落ちぶれた映画監督の役で、「映画はテーマで見てはいけない」というようなことを語る。
これはホンサンス監督をまさに代弁している、監督の映画哲学そのものなのだろう。

テーマは関係ない、感動すればいい、単純な話。

映画を見て、考察や評論サイトなどを調べるようになると、ずいぶん難しく理論をこね回しているようなレビューも見かける。
自分もここでこうやって感想を書いているが、ときどき、人の役に立たないレビュー、情報をきちんと整理したデータベースでなければ、自分の感想なんて何の価値もない、誰にも必要とされていないものなのではないかと落ち込むことがある。

しかし映画というのは、本来、比較評論して解を導き出すようなものではなく、個人がそれぞれ見て感動、面白かった、つまらなかったと思えばいい単純なものでいいのだ。というお墨付きをもらったような気分になった。

クライマックスで、ジング教授が聴講生に不倫をつめよられるシーンがある。
それも、キム・ミニと不倫が明らかになったホンサンス監督の実体験なのかもしれない。

なんやねんみたいな感覚で終わる。

ジョニーウォーカー、ラベルが何かしらないが、50万ウォン(5万円程度)するのか?

呪文を唱える日 映画情報

原題:주문을 외울 날(呪文を唱える日)

呪文を唱える日 キャスト

イ・ソンギュン:ナム・ジング、映画監督 大学映画科講師
ムン・ソングン:ソン教授、ナム・ジングの恩師
ソ・ヨンファ:チャン・スヤン、カメラを撮る女
ペク・チョンニム:ペク・ヘリム、ナム・ジングの妻
イ・チェウン:ジングに詰め寄る聴講生

キング・オブ・キス

キング・オブ・キス あらすじ

大学の映画科の学生ジングは、同級生のオッキに夢中。なんとかして彼女にしようと果敢にアプローチするのだった。

キング・オブ・キス 映画情報

呪文を唱える日からさかのぼったジングの学生時代ということなのかな。
若々しく、性欲に満ち溢れる男子学生を、イ・ソンギュンがこれまた自然に演じる。

彼女役はチョン・ユミ。この映画は10年も前の映画なのだが、全く雰囲気が変わっていないかわいらしさ。
純真で無垢そうに見えて、したたかな面を持ちあわせる。

なんだか大学時代をとても思い出す。

呪文を唱える日では高価なお酒を飲んでいたジングだが、この回では安いチョウムチョロムのペットボトルを持ち歩いて飲んでいる。
さすがにペットボトル焼酎を持ち歩くのは韓国でも変な奴なのだなということがわかった。

本編の軽いベッドシーンのせいで、この映画は韓国では18禁になってしまっているようだ。
卑猥ではないが、なにか生々しい。

オム・テグが一瞬登場する。意外にこの人、昔からいろいろ出てるのね。

キング・オブ・キス 映画情報

原題:키스 왕(キス王)

キング・オブ・キス キャスト

イ・ソンギュン:ナム・ジング、大学映画学科学生
チョン・ユミ:チョン・オッキ、大学映画学科学生
ムン・ソングン:ソン教授、映画科教授
オム・テグ:ジングの同級生

大雪の後に

大雪の後に あらすじ

100年ぶりの大雪の日、ソン教授は授業に来たものの、生徒は誰も来ていなかった。
しばらく待っていると、オッキと、ジングがやってきた。3人だけの講義が始まる。

大雪の後に 感想

ソン教授が視点に。この回では、3人の微妙な関係はおいておき、人生哲学問答のようなものがはじまる。
ソン教授は高僧のように、学生二人の若い悩みに間髪入れずに答えていく。

  • 愛するなどということは絶対にするな
  • 映画は撮り続ければ自分でわかる
  • 人は自分の行動を知らない

など等、この部分だけでももう一度見て、逐一ノートにとりたいくらい。
ホンサンス監督の言いたいことがストレートにわかる。
映画で語っている。

自分もそんなに年は変わらないが、こんな境地に行きつくことがあるのだろうか。
それこそ、何かを続けていればおのずと分かってくるのだろうか。。。

大雪の後に 映画情報

原題:폭설 후(暴雪後)

大雪の後に キャスト

ムン・ソングン:ソン教授、映画科教授
チョン・ユミ:チョン・オッキ、大学映画学科学生
イ・ソンギュン:ナム・ジング、大学映画学科学生

オッキの映画

オッキの映画 あらすじ

映画学生であるオッキが撮った映画という設定。
年配の男と若い男、二人と付き合っているオッキが、日にちをずらして同じ場所に行く、その差異を比較する。

オッキの映画 感想

今まで見た関係性の集大成として、オッキの目線から描かれている。
ここで、ソン教授とジングの関係性も整理されるが、翻ってみると最初の『呪文を唱える日』では、ジングが不倫している教授として登場し、妻はオッキではない。

ここで若干のつじつまの合わなさがあり、見るものを考えさせる。

「人生は反復の連続、そこから差異が生まれる。」

というのがこの映画のテーマ、でありながら、「テーマは考えるな」と語る。

悪い人物だと思っていた不倫相手の年配の男も、そちらの立場に立って見れば可哀想な人。

どこにでもあるような風景に、チープな映像。
豪華な俳優は別として、これくらいの映画なら自分にも撮れるんじゃないかと思ってしまいそう。
でも撮れない、絶妙な世界感のずらし。

調べていたら、ホン・サンスズームっていう人も居て笑った。
タコのズームは見た人がどう思うことを狙ったんだろう。笑う所?つっこみ?

短編の切り替わりで流れる曲、威風堂々。
中学の卒業式にかかっていたの思い出す

「俳優は、実際の人物と似た印象の人を選びました、しかし実物とは違います
それが私の望む効果を弱めているかもしれません」

これも、監督が言いたいことそのまま台詞で語らせてるんだな。

手書きのチープなタイトルもとても印象的。
ヘンテコだけどなんだか気持ちが安らぐ不思議な世界だ。

もっとホンサンス作品を見たいと思った。

オッキの映画 映画情報

原題:옥희의 영화(オッキの映画)

オッキの映画 キャスト

チョン・ユミ:チョン・オッキ、大学映画学科学生
ムン・ソングン:年上の男
イ・ソンギュン:若い男