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韓国映画『犯人は生首に訊け』感想 – 誰が犯人か、何が現実か、頭ぐるぐるして心地いいおすすめサイコサスペンス

4.0
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犯人は生首に訊け あらすじ

妻と離婚し、京幾道の新都市に越してきた医師スンフン(チョ・ジヌン)は、肉屋の上階の賃貸で一人生活している。

この街は15年前は未解決殺人のメッカと噂されたような場所だったが、最近は地下鉄ができて発展中だ。

しかしある日、漢江で首と手足の切断された女性の死体が発見される。

同じ頃、大家でもある肉屋の老人チョンが来院、認知症も入った彼は診療中に殺人の告白のようなことを口にした…。

犯人は生首に訊け 感想

ポスター写真から受ける印象とはだいぶ違った話で面白かった!

ソウルタワー、夜景から始まる、自分の中でソウルの夜景から始まる映画はだいたいいい法則がある。

主人公の医者であるチョ・ジヌン演じる医師は高速バスで新都市に通勤している。
盆唐(ブンダン)のような、発展可能性のある地域だろうか。

韓国は日本よりも最近急速に発展してきている。
昔は草っぱらで、行方不明事件が起きても誰も気に留めないような田舎だったが、今はそこそこの都会。
そいういうバックグラウンドが下地になっていることが映像で良く説明されている。

この映画のチョ・ジヌンが、自分が今まで見たチョ・ジヌンの作品の中でも一番かっこいい気がする。
とにかく、多彩な姿が見られるのでお楽しみに。

また、ミセンでキム代理をやった、いかにも優しい外見のキム・デミョンがまた、善人なのか悪人なのかどちらともとれる絶妙な役をこなしている。
ちなみに、造られた殺人もおすすめ。

そして看護師役のイ・チョンアにも注目。最初この美人は誰?と思って調べてしまったくらい、アクシデント・カップルの妹ミンジとは気づかなかった。

オープニング、配役からして、面白そうな予感がプンプン。

場面転換の不自然なフェードアウトがなんだか歯切れが良くて謎めいている。

途中で、夢だったというシーンがいくつも出てきて。だんだん何が現実なのかわからなくなってくる。
ミスリードをどんどん誘ってくる、それに乗りつつ、犯人の予想をしていく。
すぐに、意外な展開なんだろうなとわかり、検討がついてくる。

あとは答え合わせ、それがまた楽しい。

劇中にプロフォールが出てくる。
プロフォールは、マイケル・ジャクソンの死因にもなった睡眠麻酔薬で、韓国芸能人もたびたびプロフォール使用のスキャンダルが出てくる問題の薬品だ。

自分はプロフォールは使ったことはないが(もちろん医療用の意味で)、胃カメラの時には必ずセルシン(ジアゼパム)を使ってもらっている。
その時におかしなことを口走ることもあるようだ。自分も経験がある。

また自分は睡眠障害もあって、以前マイスリーという薬を使っていたが(今は使っていない)、それが自分にとっては結構問題のある薬で、記憶が飛び、朝起きると身に覚えのないSNSの書き込みをしていて肝を冷やしたことがある。意味不明の文で、特に問題はなかったのだが、知り合いには十分気持ち悪がられた。

そんなことを思いながら、この映画の記憶ぶっ飛び不思議感覚に身をゆだねて楽しめた。

「推理小説は答えがあるから好きだ。」というセリフが劇中にあるが、この映画の答えも明確に提示される。
そして答えは一つではないのだ。

監視カメラの視点でさまざまな側面を見ることができる。
韓国では観客に酷評だったようだが、少なくとも自分は楽しめた

ただ一点だけあれっと思ったのは、借金取りのトライバルタトゥがあきらかにマジックだった点。
そこ気にするところかな?と思うが、ちょっと気になった。

好き嫌いが分かれる作品なのかな、自分は好きなタイプのサイコパス映画。

犯人は生首に訊け 映画情報

公開年:2015年
上映時間:117分
原題:해빙(解氷)
監督:イ・スヨン

犯人は生首に訊け キャスト

チョ・ジヌン:ピョン・スンフン、医師
シン・グ:チョン老人、ソングンの父
キム・デミョン:ソングン、精肉店 社長
ソン・ヨンチャン:チョ・ギョンファン、元刑事
イ・チョンア:ユ・ミヨン、看護師 シン内科医院
ユン・セア:チョ・スジョン、スンフンの前妻
キム・ジュリョン:ミスク、ソングンの妻
ユン・ダギョン:チスク、看護師室長
キム・ギョンミン:シン・ヨンホ、病院長
イ・ガンジェ:キョンス、ソングンの長男、フィリピンハーフ
ムン・ジョンヒョン:ヨンフン、スンフンの息子
チョン・ドウォン:借金取り、入れ墨
チョン・アミ:ペ・ジョンジャ、闇金業 社長