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製パン王キム・タック (2010年 全30話)

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あらすじ
財閥会長と家政婦の間に生まれたタックが、生き別れた母(チョン・ミソン)を探し続け、運命に翻弄されながらもパン作りを通じてたくましく成長していく。

コソン食品の会長イルチュン(チョン・グァンリョル)は、長い間跡取りとなる息子に恵まれず、ついに家政婦に手を出し子供(キム・タック)を産ませる。それを知った妻インスク(チョン・インファ)は不倫相手でイルチュンの部下であるハン室長(チョン・ソンモ)と組んでタック親子を始末しようとたくらむ。
逃げ伸びたタックは成長し、父親であるコソン会長に偶然再会するのであった。

感想
30話と長くても、全く退屈しない展開。さすが韓国史上、記録的高視聴率50%超えの名作!

物語はタイトルから連想される予想に反して、暗い出産シーンから始まる。大人の嫌~な世界からはじまって、4話は15禁になるほどのドロドロ昼ドラのようで心配したが、タックが成長してからだんだんと青春サクセスストーリーの様相も呈してくるのでご安心を。

特にパルボンベーカリー娘のミスン(イ・ヨンア)のくりくりとした大きな目と可愛らしさに癒される。

義理の弟マジュン(チュウォン)のひねくれイケメンっぷりは憎いが、事情を鑑みるとやむなしと同情を覚える。非常に感情移入できるキャラクターだ。
いつか友情が芽生えるか芽生えるかと思いながらも、裏切られてしまうところがもどかしい。

50代の歳相応に見えながらも、若い娘たち以上の美しさを放つ継母インスクは、他のドラマではまだ拝見していないが、少なくとも自分の中で韓国三大継母の1人である。
ファッションも華麗で、願わくばこのように年を取りたいものだ。。

パパ3人、ママ1人で明るい天然ボケのシングルマザーを演じたユジンが、タックの初恋の少女シン・ユギョン。
幼い頃虐待され、社会と金持ちに恨みをむきだしの影のある女として全く別人を演じている。それにしてもとにかく美人だ。

話の舞台は1970~80年代ということだが、日本の感覚ではさらにそれよりも10年以上古い風景のようにも見える。
タックが幼少時代住んでいた町など、まるで第二次大戦まもなくのようだ。
韓国がいかに急速に近代化をしたのかをうかがわせる。

とにかくタックが次から次へとひどい目にあって、ときにタックのバカさ加減にもイライラするのだが、打たれても打たれても立ち上がるタックの姿にいつのまにか虜になってしまう。

パルボン先生(チャン・ハンソン)との師弟愛も良かった、人生訓になるセリフが随所に散りばめられている。

最後はこれ以上無いさわやかなエンディング、唯一、”あの人”だけが救われないのが少々可哀想だった。

BGMが非常に印象的で、見終わった後、実生活でピンチになったりする時に頭に回るようになった。自分の人生もなかなかドラマティックで面白いなと客観的に見れる効果がある。

良いシーンがカットだらけのテレビ放映ではなく、ぜひノーカット版で見てほしい。
そして、無性にパンが食べたくなるね。

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